18歳の崖と20代の空白

1回:支援はある。でも、つながりにくい

「卒業した後、どこに相談すればいいんだろう。」

障がいのある子どもを育てる中で、
そんな不安を感じる人は少なくありません。

学生の間は、

  • 学校
  • 病院
  • 福祉サービス

など、周囲とのつながりがあります。

特に子どもの頃は、学校や小児医療、地域の支援機関などが、長い時間をかけて家庭と関わっています。

しかし進学や卒業をきっかけに、

  • 小児医療から成人医療へ移る
  • 子ども向け支援が終了する
  • 新しい窓口を探す必要が出てくる

など、それまでのつながりが途切れやすくなることがあります。

こうした困りごとは、社会の中であまり共有されにくい部分があります。

  • 声を上げる余裕がない
  • 「本人や家庭の問題」として扱われやすい
  • 制度が分野ごとに分かれている

そんな理由から、支援の途切れや孤立が、個人の問題のように見えてしまうことがあります。

でも実際には、制度や支援の“つながりにくさ”が背景にあるケースも少なくありません。

日本には、

  • 医療
  • 福祉
  • 教育
  • 就労支援

など、さまざまな支援制度があります。

ただ実際には、

  • 「どこに相談すればいいか分からない」
  • 「相談したけど次につながらない」

という声もあります。

つまり問題は、
支援そのものが存在しないことではなく、
支援同士がうまくつながっていないことにあります。

「18歳の崖」という言葉があります。

学校の卒業や制度の切り替えが重なることで、
支援が途切れたように感じやすくなる時期のことです。

ただ、問題は18歳で突然始まるわけではありません。

最初の大きな分岐は、中学卒業後の15歳頃から始まります。

  • 高校進学
  • 就労
  • 在宅

など、進路が分かれ始めるからです。

義務教育が終わることで、学校による一律の支援も少しずつ変わっていきます。

その上で18歳前後になると、

  • 学校の卒業
  • 福祉制度の切り替え
  • 小児医療から成人医療への移行

などが重なります。

さらに、それまで周囲が支えていた部分が、
少しずつ「本人主体」に変わっていきます。

もちろん、子どもから大人へ移行すること自体は自然なことです。

ただ問題は、その移行がスムーズにつながりにくいことです。

例えば知的障害の場合は、

  • 早い段階から支援につながりやすい
  • 学校や福祉との接点が比較的多い

ことがあります。

一方で、発達障害や精神障害では、

  • 子どもの頃は支援につながっていない
  • 思春期以降に困難が強くなる
  • どこに相談すればいいか分からない

というケースもあります。

同じ「障がい」でも、支援との距離感は大きく異なります。

実際には、

  • 15歳頃から始まる進路の分岐
  • 18歳前後の制度の切り替え
  • 医療や支援先の変化

こうしたものが重なり合っています。

その結果、「急に支援が途切れた」と感じやすい状況が生まれます。

このシリーズでは、

  • なぜ18歳前後で支援が途切れやすいのか
  • なぜ20代に「空白」が生まれやすいのか
  • 支援が続く仕組みは作れるのか

を、順番に整理していきます。

次回は、
「18歳の崖」と呼ばれる変化について、
もう少し具体的に見ていきます。

参考・関連情報

厚生労働省「障害者総合支援法」

厚生労働省「移行期医療支援体制整備事業」

厚生労働省「障害福祉サービス等」

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