18歳の崖と20代の空白

第2回:18歳の崖ー「制度の切り替え」は想像以上に多い


「18歳の崖」という言葉があります。

学校の卒業や制度の切り替えが重なることで、
支援が途切れたように感じやすくなる時期のことです。
単に「学校が終わる」というだけの意味ではありません。

18歳前後には、さまざまな申請や切り替えが重なります。

例えば、

  • 療育手帳の再判定
  • 障害年金の申請
  • 成人向け障害福祉サービスへの切り替え(認定調査・受給者証発行など)
  • サービス等利用計画の見直し・継続
  • 障害者雇用制度利用のための判定

などです。

しかもこれらの申請は単に書類に記入すればいい、というものではありません。

知能検査、
医師の診断書や意見書、
相談員による面談、

などが必要になることもあります。

地域によっては、
検査や判定まで数ヶ月待ちになることもあります。

そして書類申請ではありませんが、小児科から成人医療への移行という大きな変化もあります。

大変なのは、
手続きの数だけではありません。

  • どこへ相談すればいいのか
  • 次に何が必要なのか
  • 何を先に進めるべきなのか

が、とても分かりにくいことがあります。

制度ごとに窓口が分かれているため、

「この手続きが終わったら、次はこちらです」

と自然につながるとは限りません。

そのため、本人や家族が、
その都度調べながら進む構造になっています。

例えば「サービス等利用計画」は、
原則として、相談支援事業所と連携しながら作る仕組みになっています。

それは計画書を書くこと自体も大切ですが、相談支援事業所には、

  • 必要な支援を整理する
  • 制度をつなぐ
  • 困った時の相談先になる

といった役割があるからです。

ただ実際には、

  • 事業所不足
  • 地域差
  • 情報不足

などもあり、
相談支援事業所と繋がる本来の意味がわからないまま、どこの事業所とも繋がれないケースもあります。

ただもちろん、「サービス等利用計画」については利用者や家族が自分たちで作成したいとの意向で、積極的にセルフプラン(自分たちで作成するプラン)を選択される方もいらっしゃいます。

本来であれば、

  • これから必要になる手続き
  • 相談先
  • 利用できる制度

などが、一つの流れとして整理され、

早い段階から知らせてくれる仕組みがあってもいいのかもしれません。

例えば、「18歳移行パック」のように、
必要な情報や手続きをまとめて案内してくれる仕組みがあってもいいですよね。

もちろん実際には、
障がいの種類や地域によって状況は異なります。

それでも、
「どこへ行けばいいのか分からない」
状態を減らすことはできるはずです。

煩雑な申請様式や複雑な手続き、

こうしたものを少しでも分かりやすく、簡素化して欲しいと願うのは、

面倒臭いから、時間がかかるから、という単純な理由だけではありません。

健康で元気な人ならどうということもない手続きが、

障がいを持つ当事者やその家族にとっては

こうした複雑な手続きを行うこと自体が

心理的な負担を増大させ、

体調が悪くなる人もいるほどだということを

理解して頂ければなと思うのです。

次回予告

18歳前後の切り替えを越えたあと、
20代では何が起きているのでしょうか。

次回は、
「20代の空白」と呼ばれる状態について、
具体的に整理していきます。

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高校卒業後の進路や学びの選択肢については、
「学びの場を探す」ページにもまとめています。

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